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アヲイ
【 〜 震撼遊戯 〜 】
2009.06.20 (sat) 大阪MUSE
出演
the Underneath
アヲイ
9GOATS BLACK OUT
オープニングアクト:LOKI
予想を裏切った、哀愁のダークホース

お目当てのバンドさえ見れればそれでいい…そのスタンスは一生解ることはないが、
この「アヲイ」が、この震撼遊戯のダークホース的な存在になっていた。

会場を見渡せば、the Underneath、9GOATS BLACK OUTが終了し、
次は「アヲイ」の登場が確定していたわけだが、

数えてみると憶測、1/3以上客層が減っており、
それは今日のライヴに出演するどのアーティストに期待を持っていたか、
客層がどのバンドを目当てに来ているかを如実に物語っていた。

満遍なく散らばり座り込む客層は、目に見えるほど減っており、
荷物を足下に置いている人も前列にいるぐらいであった。

本当に初期の音しか聴いたことが無く、今回俺は、初めてアヲイを見ることになる。
本当なら後ろに下がるところが、今日の俺は何かと不思議な行動をとっていた。
前から三列目のセンターと随分前に出ていたのだ。

印象としては、アヲイは暴れるバンド、生易しい印象が無かった。
思い描いているバンドと違うのかいろいろと思いだそうと一人だまり考え込んでいた。

見渡すと8割ほどの客層が座り込んでいる。
「ライヴハウスで座りこむ」という光景も何度か見たが、ここまで全域で座っている風景は初めて見た。
楽しみなのか、目当てでないのか、真相は定かではないが、
一度座ると期待する気持ちも鎮まる気がして立ったままでいた。意地もあった。

しかしその意地も、今思えば、他にもいろいろな感情があったかもしれない。
幕の向こうでセッティングを行っている際でも、その音に声をあげるファン。
男性も周りに多くいる上に、海外から来られたファンの方も前列に集まっていた。
過疎化しているわけではなく、コアな人が集まったように見え、心情としては少し期待していたかもしれない。

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荒々しく、登場し、ダークヘヴィネスを主流とするアヲイ。
サビでは昭和歌謡曲のメロディと不思議な組み合わせの「鈴虫」。
しかし、驚くべきなのはそこではなく、
自分のいる三列目あたりまで、統率がとれたノリを見せていた。

暴れるだけだと思っていたら、まさかそんなにフリがあるとは知らなくて、
必死について行くしかない状態。「知らない」と、棒立ちすれば確実に浮く状態。
センターにいるから遅れを取るまいと久々に焦った。

モッシュ・ヘッドバンキング・拳を振り上げ、咆哮とよくあるノリは付いていけたのだが、
そういったノリにはいまだに不慣れ。
しかし何だろう、そのノリを止めて後ろに掃けようと思うことはなく、ただ、楽しかった。

音は相変わらず、絶望の色を奏でているのだが、
自分が思い描いたアヲイの像を裏切る光景が多くあった。

「ララバイ」でのお祭りなノリを見せたりするなど、ファンの統率感もさることながら、
メンバー・ファンが一丸となって楽しんでいた光景は、今日、このアヲイが一番だったのを感じたのだ。

メロディアスな「哀しい歌」の「死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい」では、
まさか手をツタツタツタと突くフリ(正式名称は知らない)が入るとは思わなかったりと意外性があったり。(笑)

ダークバラードの「線香花火」が終わり、エモーショナルな「ゴースト」ではモッシュを見せるなど、
ただダークではない、熱いロックテイストの曲もあったりと意外性に驚かされる連続であった。

シャウトやデスヴォイスがありながらもキャッチーなサビを聴かせる「オセロ」から、「声」へ。
そのとき見たメンバーの笑顔、汗だくになりながらも懸命に弾くベース:サキ、
筋肉質な肉体を肌蹴ながらもグルグルと回りながらギターをかきむしる翔。…、
それを見て熱く叩くドラム:ヒロ…そして、会場を見渡しながらマイクに喰らいつく様に歌うオトギ。


とにかく、メンバーが一番幸せそうだった。音が絶望色なのに。
アンコールでの「生キル為ノ歌」では、会場中で右へ左へと乱痴気騒ぎに無茶苦茶になり、荷物も飛ぶ飛ぶ。
そんなカオスな状況を見ながらも幸せを感じていただろう、ヴォーカル、オトギの笑顔はいまだに覚えている。


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拳を上げ、叫ぶことでテンションがあがるメンバー。あまりのテンションの上がりっぷりに、
傷だらけになりながらも鉄筋で出来た無骨なお立ち台を持ちあげて笑顔のヴォーカル、オトギを筆頭に、
各メンバーの喜びっぷりは、初めて見た「アヲイ」が今回出たバンドに引けを取らないバンドであると認識させられるに至った。

最後、ピックが飛んできた。争奪になりそうになったけれど、すぐにその一列目の女性にあげた。
何だろう、新参の俺よりも相応しい人に貰ったほうがいいだろうな。と思えた。
本当ならそんなこと思わずに自分のものにするのにね。それぐらい楽しく、不思議な空間だったんだよ。

まだ無名かもしれないが、途中で帰った人たちは絶対にしることのない最後に見せた「震撼遊戯」。
ファンの幸せそうな雰囲気は最後まで会場に残った人たちしか知ることは無い、
最後まで居た人達にしか解らないこの熱狂は、アヲイを死らなかった人達にとっても、心に残る、無くならない歌になるだろう。

・鈴虫
・哀しい歌
・ララバイ
SE
・サイレン
・線香花火
SE
・ゴースト
・オセロ
・声

・生キル為ノ歌




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