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9GOATS BLACK OUT
【 Howling bird at the HELL act 2 】
2009.11.25 (wed) 大阪MUSE
出演
9GOATS BLACK OUT

夜は更け 蝙蝠は歌う 想いに耽り 蝶は夢を見る

今回を含めると大阪では、二回目のワンマン公演となる。
前回の大阪ワンマン公演ではキャパシティが明らかに合わず、
嬉しい悲鳴ともいえるソールドアウトとなっていた。

しかしそのツアー時、チケットがネット上で販売されるダフ屋が多発し、
今回のツアーからオフィシャルより、規制も考えるという厳しい警告文が発生された。

そんな背景もあったためか、今回は少し広めの大阪MUSE。
ソールドアウトならずとなったが、平日ながらも会場の8割は埋まっており、
ワンマンとしても成功したのではないかと考える。

[※チケット番号一桁]が5万円で即決等もあった]


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カーテンが開き、9GOATS BLACK OUT 編曲の坂本龍一「ハイ・ヒールズ」が鳴り響く。
aki、akaya、hati、utA、ryoの順番に入場していく。
今回気合いを入れてか、冬場にも関わらず、utAはタンクトップ、akayaはベストのみ羽織っていた。



心の再会、送りだす歌、「sink」が叙情的に奏でられる。
歌詞の無いコーラス部分の感情の込め方が見るたびに引き込まれる。
ライヴの追加メロディと詩に含まれた「死を乗せて行く」というフレーズが耳を掠める。

まるでテルミンを奏でるかのように手をひらひらと動かすryoと、
それに合わせてギターを唸らせるutA、赤い光の中、掌で目を隠し、
盲目のまま何かを探すような仕種を見せて歌いあげる「Belzebuth」。
フランス語読みでは[ベルヅェビュット]で、蝿の王ベルゼブブを示す。

ミディアムテンポながらも妖しく奏でられ、
サビでは静かに怨恨・畏怖の感情がメラメラと炎上するかのように盛り上がり、
「嘘吐き毒を持って、この手で壊せ(※)」といったフレーズが特徴的だった。[※歌詞が不明ゴメン]

そしてライヴで披露されていた「red shoes」。
ゆったりとしたテンポながらもハイトーンなヴォーカルと、
足を斬ったり、赤い靴が勝手に歩き、その靴が脱げない呪いにかかったかのような、
泥濘に嵌ったようなパフォーマンスが加わり、より魅せ方に完成度が上がっていた。

akayaの空間を移動するかのようなSEから静かに始まった「raw」。
「red shoes」からの流れも加わり、極度の緊張感が会場内を走る。

音の隙間を巧みに使い奏でられた後、間髪なく入れた「SALOME」。
首を掴み、目をカッと見開き会場中を見渡すryo。
manipulateのakayaも挑発的に奏で、コーラスが鳴り響く。
hati・akiのリズム隊も鼓舞するかのようにリズムを取る。

そして続く、「Lestat」。会場中はどういったノリが来るかを熟知しているかのように、
緩急に合わせてリズムに合わせて身体を揺らす。

静寂が会場を包み、メンバーを呼ぶ声だけが響く。

ryoのアカペラが響く。

音源と違い、ドラムなど生の音が混じることで変貌を遂げ、
よりライヴで映える形へと進化したバラード「Den lille Havfrue」だ。
真っ白な光が差し込み、遠い人の手を引くように手を差し、遠くを見つめるryoが印象的だった。

そして続く、「Sleeping Beauty」では、その優しい空気を纏い、
光の中、白い雪を見せるような幻想を見せ、
「in the rain」では遠くを見つめ手を振り、真っ赤な光の中、
感情を爆発させるように死を呼ぶ黒い雨を歌いあげる。

「ありがとう」というryoの一言の後、ryo・hati・akiが退場し、
akayaと椅子に座ってストリングスで奏でるutAの両名による演奏が始まった。
デジタルながらも、神秘的な音色、9GOATS BLACK OUTとしての世界観に染まったその音に酔いしれた。

「moses」が鳴り響く。
そして続く、「ROMEO」、緑の光の中、赤いライトが差し込むという不気味な組み合わせの中、
その曲に秘められた悲劇を会場中を一つの舞台に見立てているかのように踊り歌い、座り込む。

音が外れたかのようなピアノ音が鳴り響いた後、
座り込んでいたryoが糸を引かれたかのようにすっと立ち上がり、始まった「夜想-nocturne-」
そして会場中を拳を上げさせ、グツグツと熱狂させる「float」。
BPMを上げて演奏され、ライヴ向きに改良された曲ではあるが、
バンド開始時からずっとプレイされてきた曲だからか、毎度見るたびにその曲のカッコよさは増していた。

間奏ではモニターにもたれかかり、ファルセットで歌い上げるものの、
狂気を感じさせる「690min」では、ヘッドバンキングの嵐、自分の体を指差し、煽り続ける。
その熱を持ったまま、「Who's the mad」へと続く。
「ヴォイ!ヴォイ!ヴォイ!ヴォイ!」と、テンポよく拳を振り上げる。
サビでは恐ろしくストレートで、滅茶苦茶な展開ながらも、面白さを感じさせる。
「ワンツー」と数を指折り数えたりなどのフリもあるので、一体感を楽しめる。
そしておなじみ、ヘッドバンキング必須の「minus」。
本編最後は、「headache」。akayaもフロントマンとして会場を煽ったりと、
最高潮の盛り上がりを見せる。




アンコール時、会場のメンバーを呼ぶ声が響きわたり、
ryoが振り返った瞬間にピタっとやむ。

ryoがポツリ。

「…まだだよ?」


少し緩んだ会場、メンバーを呼ぶ声が再び鳴り響く。
アンコールへの感謝の言葉を述べた後、「宛名の無い手紙」が披露される。
前日の名古屋でも披露されたがそのとき曲名が不明であったが今回、判明した。

「Den lille Havfrue」とは違う、これまでに無いほど、
メロディアスな曲展開で聴く者を惹き付けた。良い意味で9GOATS BLACK OUTらしくない、
歌詞が解らなくても、純粋に「素直に良い曲」と感じ、誰かに向けた曲だと直感で感じた。

そして、ミニアルバム「Black rain」から最後にも届けられる、「天使」が披露される。
温かな空気が流れ、ryoからのお礼の言葉が響き、MCへ。


大阪ということで、akayaが司会・告知を行うことに。

「3/24、フルアルバムをリリースします。名古屋では発売予定日を公表したのですが、
大阪ではタイトルを発表します、タイトルは、Tanatos(タナトス)」


不慣れな司会っぷりでいつもよりグダグダになり、ニコニコしっぱなしであったryoがマイクを取り、
「トークをお楽しみのところ悪いんですけど、お時間には限りがあるんですよ(笑)」とバッサリ仕切ったのが面白かった。

そして最後、ryoのMC。

「大阪好きって、解りきっていると思うんですけど、俺達大阪は大好きです。
名古屋で言いそびれたんですけど、新曲のタイトルは「宛名の無い手紙」といいます。
『ライヴなどでいつも手紙を書いてくれる人達への自分たちなりの返信』として作りました。

楽しみにしてください。とても濃い、フルアルバムを引っ提げて、大阪にまた来るので、
最後にこの曲を聴いてください。俺たちが今、一番大切にしている曲です。"Heaven"」


ピアノ音とギターから入り、語りかけるように歌い、歌詞の無いコーラスでは音を感じさせる。
ミディアムテンポながらもサビでは力強く語りかける。
力強いコーラスが鳴り響く。走り抜けるように。同じフレーズが何度も響く。意識づけるように。

会場が息を呑み、ため息をつく。心地よい疲労感を漂わせ、「ありがとう」という一言が響いた後、
会場全体に拍手が起き、大阪では今年最後のライヴが終わった。


ライヴを繰り返し、育ってきた「red shoes」「minus」、
「Belzebuth」「Who's the mad」「宛名の無い手紙」、そして、大切な曲、「Heaven」、

ファンのたくさんの希望を載せて、
死そのものを神格化した神の名「Tanatos(タナトス)」に向かって、9GOATS BLACK OUTは走り出す。



[戦利品]
・ryoさんの黒口紅がついたペットボトル[身体でキャッチした]
「unknownluck halloween 」
・[LOG] 2008 WINTER(通販商品 No.V)[※残少]
・Howling bird at the HELL act 2 card
  →公演内容と現在のバンドのモードを詩とグラフィックで表現したアートカードを新たに3種発売。
   メンバーそれぞれの直筆サインとact2スタンプ捺印も裏面に有り。
   09.11.25地点では全員分のメンバーサインの在庫はあった。もちろん指定出来る。
   ちなみに俺は三種ryoさん。一枚500円。




・sink
・Belzebuth
・red shoes
・raw
・SALOME
・Lestat

・Den lille Havfrue
・Sleeping Beauty
・in the rain

・utA&akaya

・ROMEO
・夜想-nocturne-
・float
・690min
・Who's the mad
・minus
・headache

-enocore-
・宛名の無い手紙
・天使
・-MC-
・Heaven




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