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シニカル・クロゼット
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Dolly/ ドリー
シニカル・クロゼット
発売日:2008/01/02
参考価格:\2,415
価格:\1,800 OFF : \615 (25%)
※この情報は、2009/05/10 22:49のものです。
ジオラマ ネバーランド

英詩も織り交ぜられることもさることながら、
カラフルな描写が多い歌詞ながら曲調はドラマチックな展開を見せるハードサウンド。
跳ねるようなリズム。蜜による、奇怪なサーカスに迷い込ませるようなメロディーラインながらも、
どこか和のテイストを感じさせるのは、歌詞に散りばめられた『和の言葉』だろうか。
歌詞の世界は、苦悩に満ちた「幼き記憶」。
辛き記憶、過去は装飾され、サーカスのようにオブラートにつつまれる。まるでネバーランド。

トワイライトに滲む泥だらけの幼き日 壁に焼き付けたモノクロの影
古ぼけたアルバムに鏤めた幼き日 窓から覗いたあの桜の下にそっと…

SCRAP BULLET [7DAYS]

展開が非常に複雑な楽曲。作品タイトルどおり、韻を踏みまくった歌詞により、
シニカル[皮肉]なリズムで振り回しながら、サビでは明るいキャッチーなものとなる。

ツギハギだらけのサウンド・歌詞。恋人に愛想を尽かし、
月火水木金土と日々を鬱蒼に暮らす。
「私はこんな場所に好きでいるんじゃない。演技をしているの。」
シリンダーに一つの弾丸を込め、月火水木金土とひとつづつシリンダーを回し、過ごす日々、
そして最後の日曜日…

プラネタリウムの空の下で哀(アイ)をリボルバーにつめて
静かに眠る貴方のコメカミにそっと銃口をあてた・・・

ネジマキ式タルト

しっくりと来るドラムの一定のリズムを刻みつつも、古臭さが漂う昭和歌謡。
蜜のヴォーカルラインも演出を手伝い、モノクロカラーに仕上げる。

3分弱と短いながらも歌詞、サウンド共にノスタルジーを感じさせる。
歌詞では、「信号機」のように赤・青・黄が織り交ざる。しかし、どこか狂った世界。

曖昧な嘘で秘密を隠し、自分の中の赤色(止まれ)の信号を送るコードを断つ。
このリモコンで巧く操作出来るはずだった…なのに、
無情にも転がる大切な人。赤色のコードは断ったはずなのに行われた詮索。無神経の果て。

リセットボタンを探すものの、やり直しはきかない。

曖昧な嘘で紡いだ紅色の糸を断って
シニカルなコードを挿して、 青色の信号を送るの
星の砂時計

星空の瞬きようなアルペジオギター、
ゆいなのアコースティックギターなどが光る蜜が優しく歌い上げるメルヘンバラード。

子供が部屋に散らかした星空のような浪漫を感じさせる歌詞世界のなかに垣間見せるは「別れ」。
遊び飽きた恋人に、「サヨナラ」の四文字を告げ、扉に鍵をかけ、生命の灯に息を吹きかける。

夢の中に逃げ込む。悪夢に素敵な世界を食べられる前に。月と何度もワルツを踊る。

遊びあきたオモチャにキスして そっと「四文字」を告げた扉に鍵をかけた
淡く揺れる最後のキャンドル そっと「四文字」を告げた灯に息をかけた
夕闇に溺れた白いバルーン

はち のヴォーカルやドラムとユニゾンするギター。
ヘッドホンで聞くと、左右に囁かれる蜜の毒々しい語り。
サビでは明るくメロディアスながらも、闇を掘り下げたようなヴィジュアルロック。
ひとつひとつのエッセンスが見事に綺麗にハマった楽曲。

閉じ込め、自分だけの子猫になった大切な人。
しかし、やがて、独りぼっちの帰り道で気づく。
一緒にいると思っていた今が、独りよがりの結果であることに。

独りぼっちの帰り道、眩しくて オレンジ色の涙が「ポツリ」こぼれた
「寂しくなんてないよ。」膨れあがった心が夕空に舞う

my evaluation


Dollyの世界が感じられる曲。ヴィジュアル系が好きと自分で豪語できるなら、
曲調もバラバラながら綺麗にまとまったこの作品をきっと好きになれるのではないだろうか。

歌詞もどこか可愛らしい中に奇怪な毒を感じるのも特徴のひとつであろう。
蜜のヴォーカルは聴いていて、下手とは感じないが他バンドに比べるとどこか画一的なものがなく個性的とまではいえない。
まだ発展途上であるためか、楽曲でたまに、『これはあのバンドみたい…』と唯一無二な空気を出せていない感が否めない。

しかし、ここからより深く自分達の世界を追求してくれるならきっと面白いバンドになるのではないかと思われる何かは感じる。
何度もリピートすることができるアルバムではあるため気になる人には十分にオススメできます。

ちなみに歌詞解釈は…結構苦しいところを走ってます。解らないです。