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カルメゾン
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Dolly/ ドリー
カルメゾン
発売日:2007/06/06
参考価格:\1,575
価格:\1,406 OFF : \169 (11%)
※この情報は、2009/05/10 23:20のものです。
雨降りの映画館(シアター)

80年代のレトロな雰囲気を出した曲。今までのDollyに無かった懐かしさとキャッチーさ。
作曲者・聖の音色を壊さぬように全てが調和された曲。夢の世界に誘われたような感覚に陥るような、
メリーゴーランドが廻るような音の演出。蜜のストレートな歌い方もより世界に引き込ませる。
歌詞の中でも大人の部分、子供に変わる部分、交錯する過去と現実。
映写機でカラカラと回り映し出される思い出という名前の「映画」を歌っている。
人の夢と書いて、「儚い」となるように、大人になっていくにつれて死んでいく夢達。

古惚けた映写機は燦々と青春の頃の日々を
天幕に映したC級キネマ
密室オルゴール

モダンなオルガンの音色を皮切りにはじまる、
「怪奇」という言葉がよく似合うようなドラムリズムが前面に出た曲は、
何とドラマー亜樹作曲。Dolly作品、初参戦である。

音は本当にシンプルながらも複雑な内容である。全てが邪魔をしないように一つになろうとしている感覚。
ギターも前に出ず、ただリズム隊が一定の位置にいるような。
「蛹の羽化」の歌。美しい羽根を羽ばたかせ飛んでいく愛する人。
遠く遠く空へと羽ばたいていくその人を見て、
広さが増した部屋に一人きりとなった「僕」。
晴れた日、ようやく僕の背中にも羽根がはえ、空へ空へと羽ばたく日が訪れた。
下を見ると…どこか見覚えのある「蛹」が……。

ジンテーゼ気味の過去、現実、未来
排水の渦で踊る密室のポルカ
revolver's-go-round

ゆいな作曲の攻撃力が高いライヴ曲。
かなり荒々しいバッキングが武器となり、かなりのロックテイストとなっている。

そんなロックテイストながらも、蜜の歌詞が別の表情を映し出し、曲の中に壊れていく人間を映し出した。
「黒星病」に侵されていく薔薇。
秒針が進むにつれて侵食していく肉体。食い破られるのは肉体か、精神が先か。
部屋には病気か、それとももっと別の何かが孕んでいるのか。
解らないまま、侵されていく。

溢れ出す涙に君が粒状に泳ぐ

my evaluation


映画館・オルゴール・冷蔵庫に例えた部屋の世界を表現した今回の作品。
住居を意味する『メゾン』、悲劇の象徴である『カルメン』の造語。
つまり、一つ一つの部屋で起きた悲劇の密集地帯…とでもいう作品。

「雨降りの映画館」が、ドレミ團みたいに聴こえる。
音色、テンポ全てがそれっぽかったりするのだが…、
全曲を通すと、かなり中毒性のある作品となっているのが解る。

初心者でもかなり世界観にドップリ浸れるような内容で満足。
また歌詞カードも凝ってあり、ひとつひとつ、曲の中の世界観を補足する詩が掲載されている。
なので、CD借りただけでは世界観は完全に解らない。
歌詞の世界を読み解く人だけに見える世界…そういったものが存在する作品。俺は好きだな。