ゆっくり…ゆっくり…耳元で呟く突き刺さるような、呪文めいた歌詞、ダークバラード。
下品な真っ赤というイメージではなく、血の様な赤色がイメージ。
絶望に朽ちる大切な人、そんな表情を見たくないけれど、何度も何度もゼンマイを巻き戻す。
夢の中でいつまでも居たいから、どんなに辛くても、大切な人を巻き戻す。
滲んだ言葉を隠した浸食ロゼッタ
錆びた窓から空に咲いた
歪み歪んだ和製ワルツ、リスナーを聴覚から絡みつくようなベースが特徴。
サビではかなりキャッチーでDollyらしいんだけれど一癖二癖もあるから全てが変則に聴こえる。
林檎症…現実逃避。禁忌に手を伸ばし、どんどんと二人で底に落ちていく。
さぁ逃げないで手を取ってワルツを
赤い絨毯が伸びるつきまで全てを委ねて踊ろう
決して報われない、悲壮感漂うバラード。ゆいな作曲。
忘れることが出来ず、ずっとゼンマイを回し続ける。
大切な人が死んで、似た人は見つかっても、同じ人は探しても見つからない。
解っているのに探してしまう。あまりの辛さに、敵にさえ思えてしまう大切な人。
夢という液体にくるくる回る、二匹の金魚、一匹は泡になってハジけた。
寂しくて、金魚を探すけれど、同じ模様の金魚は見つからない。
涙こぼれ、夕暮れの浴室は「サヨナラ」が溶けて泳ぐ
雨は雪に、季節はまた色を繰り返し あの夏に帰っていくから
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my evaluation
『シロイロ』のレビューを見てくれると解るかもしれないけれど、こちらはバッドエンディング。
Dollyがとことんダークに走った先の一つのゴール。
でもシャウトや情緒も無い2ビートということは一切無く、下品ではない上品な世界。
ぐちゃぐちゃな恨み辛みを歌っているんではなく、死を悼む心。
大切な人を思えば思うほど、失ったときに感じる闇の心。「寂しい」という「純」な要素が入っているように感じた。
Dollyの歌詞って言葉足らずだから、リスナーに委ねられる部分ってのがあるんだけれど、
聴けば聴くほど、『「金魚」』がとにかく悲しすぎるぐらい突き刺さる。
音源の高額化につながるのも実は、「金魚」が起因しているんじゃないかと思うぐらい。
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