純粋な色彩のようにDollyの毒々しい、禍々しい要素が抜けきったクリアな楽曲。
聖らしくないかもしれない100%メルヘンサウンド。孤独や疎外感に眠ることさえ出来なかった。
しかし、大切な人と一緒にいることでゼンマイを回す決心がつく。
二人でゼンマイを回し、夢の中へと入っていく。
大好きなキミと二人で。二人だけで、二人だけの世界を見る。
ぐるぐる螺旋階段をキミと二人手を繋いで
琥珀色した三日月まで出掛けよう
こちらはクリアではなく、かなり変則的なリズムを何度も繰り返す曲。
「奇怪」という言葉が似合う完全なマイナーソング。
サビは大して盛り上がらないけれど、同じようなフレーズが続くから時間感覚が麻痺するような不思議な感触がある。
歌詞は「螺旋状にグルグル回る思考」。
あれでもない、これでもないと考えているうちに、全く前に進めず、何度も苦痛に変わる様子を螺旋、
迷い込んだ町並みのような印象を受けさせるメトロを合わせたと予想。
痛いほどキレイだから悲しみの色溢れ
ボクは泣いた 堪え切れずに
今のJ-POP風なテイストかな、同期音がとにかく綺麗すぎて、
Dollyの空気を壊すんじゃないかなぁ…と思って聴いていたけれど、
俺としては溶け込んでいるような気がした。
前作、『鬱雪ドロップ アオイロ』では、"孤独や疎外感"がテーマなんだけれど、
今作では世界のゼンマイを止めたときに得た「良い思い出」がフューチャーされている。
ずっと変わらないことっていうのは理想かもしれない。
白い櫻舞い散る微熱を含む落日 小さなこの部屋で泣いたり笑ったり
そよぐ風が攫った季節はまた違う彩り添えて バイバイ
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my evaluation
水彩パレットこと、『シロイロ』では、ハッピーエンドの方向。
全曲を通した感想としては、今までのDollyには無かった方向性かな。
『螺旋状メトロ』はやってもおかしくなかったけれど、他の二曲に関しては、かなりの挑戦曲ではないかと思われる。
歌詞には、『歌詞の詩』というのかな、補足的なメッセージがそれぞれの曲についている。
それを見ることでほんの少しだけ、その曲の世界観を楽しめるのではないかと。
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