獣のような呻き声から響く、エスニックテイストな妖しいサウンド。
艶っぽく歌い上げるヴォーカル、漾。
サビでは、和に変わり、「かごめかごめ」を訪仏とさせるリズムを奏でる。
言葉遊びを重視する書き方の詩ではあるものの、様々な想いが見え隠れする曲である。
方向を指し示す、コンパスの針を意味する「羅針」。
二番煎じのやり方を辟易し、進む道の先が見えなくなった苦悩、見え隠れする「かつての過去」。
再会しても、最後の影を惜しんでも、その傾いた影を背に、太陽が待つ向こう側に進む。
眠れ眠れ薔薇色の華 櫻色に染めて濡れてた 君の刺す 針が見えない
再会と傷と泪が 最期の陰と消えても 君の待つ 針は見えないままで
「死んでしまえばいい…」
不気味な漾の一言から入る、浮遊感と昂揚感を持たせるミドルテンポの曲。
人間から、天使への進化。理想に近い後姿を夢見て、
己の美学の為に、生涯唯一の「死」を自ら招く。
大切な人の変わり果てた姿を見る主人公。
微睡みと安らぎ、死と生の相反する体温、理想と現実、血と水のシャワー。
時計は、死に向って、時を刻む。
泣かないで その羽は枯れてしまう造り物で
微睡みと血のシャワー これで君が終わる
むき出しの心臓達が、苦しさに吐血してる
宿り主を亡くした今、孤独さに負けて止まる
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