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Life and Retrogress
 
Galruda / ガルーダ
Life and Retrogress
発売日:2001/02/25、01/05/30

※この情報は、2009/01/25 15:21のものです。
羅針

獣のような呻き声から響く、エスニックテイストな妖しいサウンド。
艶っぽく歌い上げるヴォーカル、漾。
サビでは、和に変わり、「かごめかごめ」を訪仏とさせるリズムを奏でる。

言葉遊びを重視する書き方の詩ではあるものの、様々な想いが見え隠れする曲である。
方向を指し示す、コンパスの針を意味する「羅針」。
二番煎じのやり方を辟易し、進む道の先が見えなくなった苦悩、見え隠れする「かつての過去」。
再会しても、最後の影を惜しんでも、その傾いた影を背に、太陽が待つ向こう側に進む。

眠れ眠れ薔薇色の華 櫻色に染めて濡れてた 君の刺す 針が見えない 
再会と傷と泪が 最期の陰と消えても 君の待つ 針は見えないままで


progress

「死んでしまえばいい…」
不気味な漾の一言から入る、浮遊感と昂揚感を持たせるミドルテンポの曲。
人間から、天使への進化。理想に近い後姿を夢見て、
己の美学の為に、生涯唯一の「死」を自ら招く。

大切な人の変わり果てた姿を見る主人公。
微睡みと安らぎ、死と生の相反する体温、理想と現実、血と水のシャワー。
時計は、死に向って、時を刻む。

泣かないで その羽は枯れてしまう造り物で
微睡みと血のシャワー これで君が終わる

むき出しの心臓達が、苦しさに吐血してる
宿り主を亡くした今、孤独さに負けて止まる


my evaluation


「Life and Retrogress」は、「進歩と後退」を意味する。
「羅針」「Progress」の二曲の共通点は、「針」。
言うならば、「羅針」は「後退」、「Progress」は「進歩」となる。

一曲一曲、進歩と後退というテーマで、別の形を見せていて面白い作品である。
しかし、デモテープな上に、ヴォーカルのカリスマ性が災いして非常に手に入りにくい代物となっている。

興味本位で聴くのも難しいので…出来るなら代表曲「阿片」から入りましょう。