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幻影の貌 (かたち) / 沙羅双樹の子護唄
† amazon†
Kagrra/ カグラ
沙羅双樹の子護唄/幻影の貌
発売日:2005/02/07
参考価格:\1,260
※この情報は、2009/10/09 22:43のものです。
幻影の貌(ゲンエイノカタチ)

力強いギターながらも、一志のヴォーカルにより優しさが加わったストレートナンバー。
Kagrra,の和のテイストが少し薄まっているように感じるが、その分、ロック色が強い。

この曲のニュアンスはギタリスト楓弥からのイメージ提示、「座敷童子」という言葉の提示があったのと、
それを踏まえて全員で構成したからこそ出来たテイストであると思われる。

曲タイトルが本来、「貌」を「カオ」と読まず、
「カタチ」という読みにしている点も意味があり、
『顔は心情を表わすカタチ=貌』という解釈からである。
歌詞はタイトルからは想像しにくいが、悲しくも優しい、座敷童子の物語である。

自分で死んだことに気づいていない子供の霊である座敷童子、
大人からは見えなくてもたくさんのものが見えている座敷童子、

同い年の女の子に恋をするが、女の子は年を取り、自分は成長しない。
やがて女の子は嫁ぎ、それをきっかけに座敷童子は自分の存在を悟る。自分は何者であるかを。

すでに自分の存在が無く、想いが届けることが出来なくても、見守る存在になれればいいと、座敷童子は天に還る。

唯 時は廻る 懐かしさをも滲んで この心までも細やかに煌めく
触れられぬもどかしさに 苛まれ今を憶え
届かない輝きさえ 愛しさに貌わればいいと・・・

沙羅双樹の子護唄

優しいストリングスや、主張しすぎず彩るリズム隊により、
コーラスやヴォーカルが際立つ形となった。

Kagrraの2nd-Miniアルバム、
『桜』に収録された「沙羅双樹の沙羅双樹の子護唄」がリメイクされている。
寝起き+花粉症+スタジオ状態が厳しい状態であった前作に比べ、
コーラスユニットも参加し、これまでの経験を活かし、より歌詞に優しい気持ちが籠った作品となった。

主人公である女性が、安楽の世界へと向かう光景、
此の世の物とは思えない安らぎを与える沙羅双樹と、
微かに聞こえる子護唄に導かれ、霊の姿になり、死を迎え入れる。


風に運ばれた 春の彩りが 私を包み込むの 母のごとく
懐かしい唄に ゆらり揺られたら 静かに吐息浮かべ 瞳を閉じるの

my evaluation


シングルとして二種類あり、「戀(こい) (ライブバージョン) 」と、
「~夢イズル地~(雛祭version) 」がそれぞれ一曲づつ別々で収録されている。

ライヴの空気をそのままパッケージされているため、どちらかというと、
初めて聴く人に向けてのボーナストラックの存在という印象を受けた。

タイトル曲の二曲に関しては、正直、歌詞を読まない人にとっては、解りやすいだろうけれど、
そこまで面白く感じないであろうシングル。
沙羅双樹〜は綺麗な曲だな〜、幻影に関しては何かロックだな〜程度にしか感じないんだろうなぁ…。

個人的な意見としてこのシングルは『歌詞を読み解く』ことにより真価を発揮する二曲。
だからと言って、曲解説なんかあったら白けるだろうから、歌詞見ない人、初見には難しいシングル。

もし『あんまりよろしくない』という意見をKagrra,ファンにいたら訊いてみて欲しい。
「歌詞、どんな物語の歌詞のシングルだったか解る?」って。

ボーナストラックいらない!って人なら、アルバム「燦〜san〜」で事足ります。