聴く人みんなに活気を与えたいというメンバーの意志により、じっくりと作られた春のための曲。
歌詞も「春」。春が生命を育み、緑が生えわたる風景が描かれている。
曲調は、春の穏やかさをしめすような琴の音とロックが融合したようなギター。
自分達の唄が幸せを運ぶように…サビを強調しているテイストなのは、その想いを伝えたいからであろう。
春麗らに光が射して染まる華は虹色 露を纏う大地は蒼く生命を讃える
過ぎた日々にその背を向けて歩み出したあなたへ 風よ運べわたしの唄を幸いとなりて
シンセを一切使わずバンドサウンドのみで乱れるアップテンポなロック。
歌詞は「戦」。戦う兵の猛々しい闘志・猛攻を表したような内容。
心を躍らせるようなテンポでインディーズ時代、重宝された。
現在のKagrra,では「聴かせる」を前に出しているので聴けないかもしれないがイイ曲です。
旋風舞う時代を睨む拳を翳して 猛り狂え獣の如く爪牙を携え
哀れみは常に無意味に 嘲りは無礙に無慈悲に谺する
楓弥のギターが七弦になったため、特にこの曲では音に重量感が如実に出た。
女雅のベースとユニゾンにより重い空気を醸し出している。
「安寿と厨子王」。山椒大夫の奸計により母と離ればなれになり、
安寿の犠牲の後、厨子王が母と再会するという話がモチーフになっている。
厨子王の、苦難を乗り越え、自分の為に犠牲になった安寿に対する鎮魂の想いのためか、
一志の大地を彷彿とさせるような響き渡るボーカルが心地よく溶け込み、サウンド全体にスケール感を与える。
大地よ染まれ 嗚咽を荒げ 緋く闇く 天よ叫べ 慟哭よ啼きやまず響け
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my evaluation
gozenが文学的な作品に対して、この作品は散文的で、三種三様の新機軸が含まれたマキシ・シングルとなっている。
Kagrraの新しい要素が目白押しで、ここからKagrraの新しい面が、サウンド面や試みに出始めることになる。
インディーズのKagrraを知りたい場合、ちょっと高い気がするが購入しても良い。ただし、「夜伽噺」と抱き合わせで。
個人的には「gozen」を買ってから手を付けてほしい。ただ、Kagrraを初めて聴くなら、これよりも別の作品をオススメしたい。
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