logo


彩
† amazon†
Kagrra/ カグラ

発売日:2005/11/23
参考価格:\2,600
価格:\2,277
OFF : \323 (12%)
※この情報は、2009/05/09 03:05のものです。
幻惑の情景

過去に戻りたい…白銀の世界の中、幼き日や、母の声を思い出し、「望郷の想い」を募らせる。
寂しさを「冬」という季節であらわした曲。
幻想的なバラードで、綺麗な琴の音のようなギターのアルペジオが、
雪がしんしんと降る…壮大な雪景色が広がるようなイメージさせる。
寂しさが広がり、一志の雪の温かさをあらわすようなファルセットがKagrraの「冬」が表現されている。

嗚呼・・・風に揺れる夢の季節はらりはらり
嗚呼・・・風に浮かぶ夢の破片はらり降りて
嗚呼・・・時を越えて愛を抱いて懐かしいあの頃へ・・・

眩暈(めまい)

「恋は盲目」。歌詞の中の、「貴女」という言葉から、この恋は女性同士の愛と読み取れる。
女性同士という性別の壁もあり、届かぬ想いは時として人を鬼に変え、
一途な情念は、愛する人を殺め、箱の中に閉じ込めた。
やがて女は最愛の女性を枯葉の下に埋め、声をかけ、愛でる。
傍からは、狂気のような恋であるが、本人としては最高の愛し方。
鬼と呼ぶのは、いつの時代でも、他人である。

気味の悪いループ音、和風ホラー映画のようなオドロオドロしさが出た新しいKagrraの一面が窺える。
女性の歪んだ愛情を表現するような女雅のベース音などと、一曲目からスローテンポが続くが飽きが来ない展開。

朱く染められた枯れ葉に抱かれ 埋もれた貴女に吐息を浴びせてみた…
運命に弄ばれた 微睡む魂の聲 ねえ…ねえ… ねえ…愛しい…

神謌(かみうた)

「天の岩屋戸(あまのいわやど)」
天鈿女命(アメノウズメノミコト)が踊り、アマテラスオオミカミが天の岩屋戸の扉を開くといった物語をモチーフにした世界観。
神に豊作を祈るために諸人も踊り、やがて天の岩屋戸の扉が開かれる…といった歌詞になっている。
女雅作曲で、曲調は、爽やかなストレートナンバー。「夏」を彷彿とさせるようなギター、手数の多いチョッパーベースの女雅、
祭りを匂わすようなカラっとしたドラムの白水。そして緩急をつけて歌う一志。LIVEでも定番曲なので聴いてみて損はない。

この謌は永遠に響き総てを包み季節を呼び
この謌は貴女を今闇から連れて再びあの土地へ
徒然なるままに、、、

「幸せのかたち」
春夏秋冬とめぐりゆくことが幸せの形であり、決して幸せは目に見えるものばかりではないといった内容。
太陽の光のような温かさを持ったミディアムテンポの曲。
音源で単体で聞くとあまりピンとこない曲だったりするのだけれど、ライヴの流れやまとまった作品の中で聴くと、
ふんわりと耳に入っていくサウンドは、桜とはまた違う…緑溢れる「春」が聴こえる。

生命の息吹く春も陽炎纏う夏も徒然なるままにこの想いを消せぬまま
儚げに散る秋も吐息を奪う冬も徒然なるままにこの想いを消せぬまま
刹なる言葉(せつなることば)

Kagrra前身バンド、CROW時代からある曲。数少ないKagrraの暴れるナンバー。
統一感のとれた動きで楽器隊が魅せる、絡み合うようなツインギター。動きまわる低音。
一志の高くも鋭いボーカルが武器になった曲。

世界観は、「神への失望」。信じていた神が降らす狂気のような雨。
水害により、村が滅ぼされる。人々は神々に許しを請うが、
神に届かず、失望し、やがて怒りと悲しみを負うこととなる。
神に祈りが届かないまま死に逝く者達、その凄惨な死を、生き残ったある者が七色の琴で世に語り継ぎ、
先に死に逝った者たちの後を追うように、記憶を抱き締め、空に昇る。

最愛なるあの人は今 力無くうなだれ
唯 最後の時を待つ姿 うろたえる私は

神よ…悲しみは 神よ…届かない
神よ…悲しみは 神よ…踏みにじられ

百鬼夜行(ひゃっきやこう)

こちらもCROW時代からあるKagrraの煽り曲。
勢いが凄かったCROWのときよりスピードも落ちつき、
また歌詞や、世界観を出すための曲構成も違う。
この曲の特徴といえば、「魑魅魍魎という悲しい魂たち」の悲鳴をあらわすような、
一志の「奇怪塊戒開(キカイカイカイカイ)」という煽りが当時話題を呼んだ。
魑魅魍魎の過去、虐げられた過去、記憶を抱き、
蘇る好機を待ち続け、世を徘徊するという報われない世界を描いている。

数奇な運命の元に悲しみと生きる 今疑問を抱いた物の怪が語る
虐げられた遠い昔 蘇るその好機を待ち続ける

my evaluation


旧作から新曲まで混ざった作品。バリエーション豊富な楽曲で溢れている。
つまり一言で言うところの「Kagrra入門編」といったところ。
インディーズというものがどんなもんか知らないならこれ買っておくと良い。
今のKagrraと比べると音質とかも大分見劣りするけれど、
この頃のKagrraの世界観はヴィジュアル系の軍を抜いて凄かった。
何度でも聴けるCD…たまに聴いても「イイな」って思える作品は希少である。

「鵺」などとは、違い、この頃の作品から物語が思い浮かぶような作品から、
一志のメッセージ性のある作品が出来るキッカケとなったように思われる。
ただ、残念なことに、「刹なる言葉」、「百鬼夜行」などの煽り曲はメジャーデビュー後、ほぼ行っていない。
理由として、Kagrraの曲で本来癒すための会場で、不本意な怪我を負ってほしくないという配慮によるものであると聞く。
非常に残念ではあるが、とても良い、昔から愛されてきた楽曲なので記憶に焼きつけておいてほしい。