「来世では一緒になれるから…」という切なる願いを歌った曲。
聴く人をゾクリとさせるような登場人物二人の掛け合いのようなヴォーカル。
イヤホンで聴くと右と左の聞こえ方が違い、二人の存在を演出する。
メロディアスなストレートナンバーで、一気に「煌」の世界へと引き込む魅力溢れる曲。
時空は無限の中魂を解き放ち唯揺れて
永遠に浮かび耀く命よ来世に
シングルと同じアレンジ。歌詞の内容としては「"夢イズル地"=LIVE空間」。Kagrraの「癒し」を意識した曲。
LIVEでは、ラストかなりの頻度で演奏されており、ファンもラストスパートのように明るく跳ねる。
Kagrraファンとしては、絶対に押さえておかないといけない曲。
Kagrraとしては、初シャッフルリズムの曲。
ラウドで、今までKagrraのなかでは無かった跳ねるようなテンポが気持ちいロックテイストが光る。
歌詞の内容は、「西遊記」。しかしそこは、一志ワールドで、「孫悟空が釈迦を倒しに行く」というフィクションになっている。
楓弥のイメージでは、るろうに剣心の「左之助」だとか。
ただ、『悪』というイメージではなく、揺らがない心、反逆の精神の意味を持つ悪一文字をイメージしたらしい。
破壊の太刀を握り占め永い闘に終焉を
餮る快楽の果ては暗く濁る混沌よ
地を這う様なベース、一志の低く加工された、ダークな曲。
ライヴでは女雅のイントロのチョッパーベースソロがあったりと見せ場も多かった。
ライヴでは一志は途中、デスヴォイスで煽ったりするが現在ではあまり見られない光景だろう。
歌詞は「泥田坊(どろたぼう)…」、西洋でいうところのゴーレムみたいな存在で、
心も命もないが故に、死ねない哀しみを歌った曲。
土くれで出来た身体であるのを想像させるために、
一志のあえてキーを低くし歌い上げたその芸当の細かさに感動すら覚える。
愛される事も知らぬまま土に還る夢を抱くだけ
苦悩は潰えず 時に流れ闇の匣でもがき続けて
懐かしい笛の音色から始まる曲…。歌うは「戦地に出向いた息子を想う老婆」。
ドラマチックな展開で、悲哀溢れつつも心に溶け込んでいく優しいサウンド。
届かない手紙を綴るような、老婆をライブでも一志は巻物を開いて読むように歌いあげる。
温かくも悲しい曲、Kagrraの「母へ…」などの作品にもこの曲の影響が出ており、温かい涙が伝う内容。
何もかもあの時のまま 時間を留めて
何もかもあの時のまま 季節は巡る
「かぐや姫」がコンセプトであるが内容は少し違うフィクションが繰り広げられている。
水面に映った月に、かぐや姫が帰る…つまり、入水(湖へ飛び降り自殺)してしまうという設定となっている。
ただ、生きるのが嫌で死んだのではなく、愛する誰かを不幸にさせたくないから。
不幸にした人たちへの懺悔に耐え切れず月に帰るその美しさと悲しさが目に映る。
Kagrraらしさと静と動のメリハリのある同じフレーズを何度も繰り返す曲で、ライブでも結構定番でやってました。
砕け散った心から刹なさが滲んで
乾いた土に染みれば罪も 何時か消えて行くの
my evaluation
「Kagrra」のインディーズ作品で一位、二位をあらそうような出来の良さ。
Kagrra入門編といっても過言じゃない出来映えであった。
ただ、新曲が増え、やがて、「夢イズル地」は愚か、「輪廻黙示録」「罪ト罰」もプレイされなくなった。
しかし、聴き応えがあり、メジャーのKagrra,から知り初めて、これを聴いても何の問題もない。
歌詞を読み解けば、どんどんと世界が広がっていくが、
これはどちらかというと「ロックテイスト」が前面に出た作品で、音を聴いた方がいいかもしれない。
Kagrraは単純に音だけ楽しめばいいというバンドではないのだけれど、
ここはあえて音から入って歌詞へと向かったほうがいいかも。
イメージとしては、灰色で無骨なイメージの「煌」。
Kagrraとしてのロックバンドとしての在り方をさらけ出したような作品。
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