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桜 2ndプレス
† amazon†
Kagrra/ [カグラ]
桜 2ndプレス
発売日:2002/03/06
参考価格:¥2,100
価格:¥2,100 OFF : ()
※この情報は、2009/10/25 17:22のものです。
桜〜再会の華〜

ミニアルバムタイトルにもなっている、「桜〜再会の華〜」。
歌詞の背景を彩るかのようにあまり主張が無いながらも美麗なギター、
淡い桃色を彷彿とさせるような全体の音色がイノセンス、かつメロディアスな展開が良い。

桜の下で、叶わなかった恋に想いを馳せる男が主人公の物語となる。
春が巡るたびに幾度となく桜の下にいると、かつて愛した女性の想い出が蘇る。
次に会ったときはあの桜のように受け入れたい、未だ枯れない想いを抱き、桜の下で待ち続ける。

淡色の溜息は螺旋を描き風に吹かれながら
木枯らしに抱かれ眠る愛の輝きを今揺り起こす

愛しさは貴女への想いを奏で終わる事を知らず
その音色のせて歌う事でしょう私の命枯れるまで



碧の葬列(あおのそうれつ)

闇夜の中…松明を持った葬列が行くような、おどろおどろしいダークバラード。
緩急はないものの、妖しいメロディを奏でるベースがより、和の中にある恐怖を増長させている。
歌詞タイトルの「碧」は緑と青の中間色とされているが、昔は黒に近い色であったらしい。
暗闇の中に降る雪が月光に反射し、青黒い夜を彷彿とさせているように思える。

歌詞の内容はまだ解析中だが、「七人ミサキ」のように救われない魂を呼び寄せ、
葬列となって現世を徘徊する物語のように感じる。

現世は薨ず神々は謌う揺らぐ真緑の碧
霧に今宵もまた繋ぎよなう葬列


妖祭

Kagrraの定番曲。祭囃子とロックサウンドが特徴で、
しっかりとKagrraのテイストが含まれている。
しかし、タイトルの「妖祭」で気付いた方もいるかもしれないが、
祭りを行っているのは物の怪の類である。

あるかどうかも解らない楽園を求め、絶え間なく争いを繰り返す人間。
自然を壊さんとするは燃え盛る火、互いに生命を絶やさんとする殺戮を繰り返す人間の様子を酒の肴にし、
多くの救われない魂を生み出す祭りを見て、妖怪がその愚かさを嘲り笑う…皮肉ったような祭りとなっている。

光り溢れる楽園求め 諍いは絶えまなく続く
殺戮の牙はもう誰も 躱せはしない
零れ堕らた涙が 大地に齎す輝さえ矢せて


沙羅双樹の子護唄

優しいストリングスや、主張しすぎず彩るリズム隊により、
コーラスやヴォーカルが際立つ形となったバラード。

主人公である女性が、安楽の世界へと向かう光景、
此の世の物とは思えない安らぎを与える沙羅双樹と、
微かに聞こえる子護唄に導かれ、霊の姿になり、死を迎え入れる。

風に運ばれた 春の彩りが 私を包み込むの 母のごとく
懐かしい唄に ゆらり揺られたら 静かに吐息浮かべ 瞳を閉じるの

桜〜再会の華〜 (アコースティックVer.)

「桜〜再会の華〜」のセカンドプレスから入ったボーナストラック。
アコースティックギターとヴォーカルのみというシンプルな構成となっており、
メロディの美しさを楽しめる仕上がりとなっている。

my evaluation


「鵺」の次にリリースされた、イメージとしては淡い桃色。
曲調はロックテイストというよりも、Kagrraの表現力の幅を示唆するような内容となっている。

ただ、問題なのがこれをリリースしたときが花粉症の時期だったせいか、
一志のヴォーカルがいまいち歌いきれていないところがあり、とくに「沙羅双樹の子護唄」では如実に出ているのが残念。

後々、この悔しい気持ちをシングルで再録し、曲のポテンシャルを引き出すことになるが、
リリース当時のこの作品に対する俺の評価は『鵺よりはインパクトは弱いけど、良作』という評価であった。

ちなみに1stプレスは紙カヴァーがついており、四曲構成となっているだけなのでコレクター用。

まぁ、ここまで書いていると、「駄作?」と思われるかもしれないがそうではない。
このカラーを殺さず再録すると恐ろしく幅の効いた作品になり得るポテンシャルがこのアルバムには秘められており、
発展途上である勢いが詰った良い作品であると言えると考える。