Wizard
resistance/baby★dragstar
resistance
久々のリリースとなる今作の一発目は、今までよりもずっと重くなったヘヴィサウンド。
Wizardの根底にあった激しい音が集結したようなテイストになっている。
新しいんだけれど、懐かしい。
新しいことにチャレンジしてきて原点回帰したような感覚。
「resistance」は、精神分析でも「抵抗」という意味を持つ。
身体を『重ねる』、心を『重ねる』、他の『誰かと』重ねる。
重ねる対象により、愛の対象、重みは大きく変わる。
愛する人の瞳の中に自分がいないことに対する抵抗を描いた歌詞。
綴る想い、嫉妬から来る惨めな気持ち…愛は深くても、決して報われない恋を歌う。
『飾らないで僕を見て』重ねないで。
『傷、癒してあげるから』って…
baby★dragstar
「resistance」とは打って変わったポップチューン。
歌詞中に「☆」があったりと、1stアルバム「ジェミニ」の「回り道」などにも見られる書き方。
これもWizardの原点といったところか。
明るくスラー…っと聴ける曲ではあるが、語りかけるように、
「退屈」と「幸せ」、「人生なんてうまくいかないね」と歌い上げる。
肩の力を抜いたかのようなリラックス感漂わせる空気を持つ曲。
サクラチルアカイイト
サクラという単語が入っているがどこか冷たさを感じさせるシンセが入った曲。
派手さは無いものの、全ての楽器音がひとつとなって落ち着き、
耳に優しく聴こえるフレーズとなっている。
春の歌というよりは、冬の歌。
大切な人との別れにより、止まった心を歌っている。
春が来て、また冬が来てもまだ心は埋まらず、ずっと心は…冬模様。
桜色に変わる道は、幾度となく季節巡り、
それでもまだ『白銀』なままで。
shredder
ますみとHIROが喧嘩し、ますみの怒りの矛先が出たのが冒頭部分という裏エピソードがある曲。
凶悪な音ながらも、終盤ではドラマティックに展開されるメロディアスなサビ。
ダークサウンドが好きなリスナーならおそらく琴線にかかるのではないかな。
シュレッダーで裁断されたかのような、断片的な記憶しかなく、
世界は、弱者と強者のみしか存在しない、
それが自分の生きる世界なんだと考えている主人公が今回の歌詞の主役。
ポーカーフェイスでシニカルな考え方を持ち、周囲に牙を向けていた主人公。
そんな主人公に心の奥底で押し殺していたある感情が襲い掛かる。
その襲い掛かった先、主人公が何を感じたのか。
歌詞の最後の四行にその正体が描かれている。
いつも、ひとりで『鳴』いてた君の声は誰かに届いたのかい?
まとめ
Wizardファンとしての視点なら久々のリリースともなり、成長を感じるためには買うと良い。
C-TYPEしか購入していないのでDVDまでは手が回らなかったが…。
個人的には、「resistance」と「shredder」が好み。ダークとヘヴィの二曲。
…というよりこの二曲だけガンガンに聴いて、あと二つの曲は流す程度にしか聴いていなかったり。
いろいろバンドの曲を聴いてきたV系ファンとしての評価なら、
『この作品は名作だ!』という感動は少なかった。
たぶん初めてこの曲を聴いて、ゾクゾク来るか?ときかれたら来ないな。
その背景として…Wizardの音の延長上に過ぎなく、王道過ぎて面白みは少なめだったから。
成長したとはいえ、Wizardとは、こういう音だよね…というインパクトがまだまだ弱い。
そこが強くなればバンドとしても良いのではないかなぁー…と考える。
【購入優先度】:

110/200
はじめてWizardを聴くって人には勧められない。今まで聴いてきた人用にも思える。。
【値段高価度】:

100/200
売り切れる心配は無さそう。ゆっくりと手に入れても問題は無さそうだ。
【オススメ度】:

110/200
Wizardとしては進化を感じるが、感じるまで。悪くは無いけれど、そこまでイイ!ってわけではない。
【即ライブ用】:

120/200
捨て曲にならないように頑張ってほしい。大量生産して曲やらなくなるとか最悪だし…。
【幅広さ度合】:

110/200
四つある王道武器どおり、四つ作りましたといったところ。幅はあるが音の表現幅は狭いかも?
【泣かせる度】:

50/200
…泣ける要素が無い。どちらかというとカッコイイ音楽を楽しむという一点に力をいれた作品かな。
【全体的総評】:

110/200
全種類買うぐらいなら、C-TYPEをオススメしたいところ。無理して買わなくても無問題。
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