ALI PROJECT
暗黒天国
暗黒天国
破裂音、ドラム缶を叩くような音や、ブラスバンドのサウンド。バックサウンドだけ聴いていればゴシックなテイストは散りばめられているものの、ラップのように韻を踏んだアリカ嬢のヴォーカルが混ざることによって新しいテイストの曲となった。キュートなんだけれどどこか狂気じみた音。
「かみちゃまかりん」という可愛いイラストのアニメのエンディング曲だが、歌詞の内容はかなりSMチックな内容。
牢獄で昇天する姫君にもなれば女神にもなる女、捕らわれの王子にもなれば魔王にもなる男。服従するかされるか支配するかされるか、互いを蛇が絡むように求め合う愛は決して綺麗とはいえない暗黒だけれど…その二人の堕ちていく時間は天国の何者でもない、至福の世界。
眼蓋の奥 赤いザクロ
恋する右脳 臆する左脳 つぶせ針の山
桃色天国
ピアノ、ストリングス系の優しい音。
歌詞も難しい表記を抜きにし、堅苦しいことなく、甘くまったりとした天国を満喫する見栄え。お菓子・恋・美術…etc…女の子が好きな世界。しかしそういった表現を歌詞から省いていくと、男女の甘い退廃した蜜月の模様が描かれている。
チェリー ⇒性経験の無い男性
キャンディー ⇒魅力的な男性・女性の俗語
ハニーはダーリン・ハニーと呼ぶほうの言葉…と続々と当てはめていくと歌詞の印象が変わる。深読みし過ぎかもしれないが、俺が歌詞を聴いていて妙だと感じたのが「不仕合わせだと感じたら」と書かれた歌詞。日本語の表記にそんな言い方は無く、「不幸せ」の当て字、と安易に考えられ、その調子で言葉の裏を考えて変換していくとそんな読み方になる。
ショコラな夜 ピーチな月
飴細工の寝台 ねむってHeaven もたれてDreaming
まとめ
今回の「天国」系の二曲。ラップといい、俗語を使うといい、黒人が使うような歌詞を日本語の表現で取り入れ、表面上で歌詞を読む人と深く読むと印象がガラリと変わる「好事家」としての「領域」を試されたかのような作品であった。
ALI PROJECTとしては、新しいテイスト。ただ一枚目でここから…というのは正直言えない。少しディープかつ、今までの流れを一段飛び越えた実験作のような印象を受けた。中毒性があり、何度も聴けば味が出るタイプ。
あと個人的な意見として…ジャケットが微妙です。何だろう…ゴテゴテしているのはいいんだけど、正直、これは綺麗とは呼べないです…帯部分の天国の「天」の文字が天使の輪がついていたりというのは可愛くてイイんだけれどネェ…。。
【購入優先度】:
100/200
すぐに買おうとしなくてもいいかも。そこまでキャッチーでもない曲だし、両曲B面テイスト。
【値段高価度】:
100/200
生産中止は無いだろうから落ち着いて購入するといいです。
【オススメ度】:
100/200
そこまで強く薦めない。悪くは無いけれど、それは今まで聴いてきたファンからの意見だし。
【即ライブ用】:
130/200
かなりフック系の曲だから、インパクトをつけるためにやる曲だろう。
【幅広さ度合】:
180/200
ゴスというよりも、ヒップホップ系というか…とにかく破壊的。
【泣かせる度】:
100/200
闇と淫靡の歌。学校で流せるような曲ではないね。
【全体的総評】:
140/200
シングルは大抵異質なんだけど、アリプロって自由なんだな…と改めて感じた曲。
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