ALI PROJECT
跪いて足をお嘗め
跪いて足をお嘗め
ALI PROJECTらしい妖艶でエスニックな雰囲気を漂わせるサウンド。
「暗黒天国」でも見せた韻を踏んだ裏リズムのある歌詞に乗せる変則的なボーカルライン。
靴の底を鳴らしたかのようなコツコツという裏拍子も聴けるので、(Instrumental)で感じて欲しいところ。
歌詞の世界観は、一度見るとSM世界に見えるが、その根底には『救いを求める気持ち』が感じ取られる。
「愛は存在せず、生物の本能を飾った綺麗事に過ぎない」と現実を見る女性を中心に物語が展開される。
「愛」を求める男達をどれだけ愚かな目で見るものの…そのどこか夢見がちで純粋な気持ちが、
現実で凍てついた心をどこかで溶かしてくれる…
そんな気持ちで鞭を振るう。痛みを生きる証として、可愛い声で自分を求めて欲しい、全ては「生」を感じるため。恋して欲しい。
自分を見つめて欲しい。
跪いてお嘗めよ 聖なる足
掠れた喉で女王様とお呼びなさい
最愛なる魔王さま
優雅なゴシックを感じさせるストリングス系。ベース音が強めで、メリハリのあるリズムがポイント。
愛する人から死を与えてもらうことにより感じる永遠の愛。倒錯しきった愛ではあるが、ある種、究極の愛である。
首を掴まれ、消えていく意識の中、ずっと「貴方」を感じていられる。
最後まで、瞼の裏まで一緒。「最愛」は時として、人を死に追いやる。
しかもその死でさえ、幸福と思える人種もいる。
まとめ
「跪いて足をお嘗め」「最愛なる魔王さま」の二曲とも、テーマは「純愛」。
一般の目では倒錯した愛であったとしても、その精神性は、現実よりも夢見がち。儀式的、形式的なものに従い、
ただただ純粋に互いを求め合う、その模様が二曲となっている。
「暗黒天国」よりはコンセプチュアルかな。しかし、少しパンチが足りないかな。ストリングス系が好きな人なら満足するだろうけれど、
「跪いて〜」が前に出すぎて、後ろが霞んでいるかな。しかし、人気曲になりうる要素は高い。
【購入優先度】:
150/200
「跪いて〜」は聴いておくべき。これが、アリプロのこれからの路線なのかな。
【値段高価度】:
100/200
高騰化はしない。限定もかかっていないので安心して購入してほしい。
【オススメ度】:
150/200
「暗黒天国」よりはこちらのほうがオススメ。何度も聴けると意味ならこちらがオススメ。
【即ライブ用】:
170/200
ライヴ映えする音源。ミドルテンポながらも、キャッチー。アリプロの暗黒面が出た作品。
【幅広さ度合】:
180/200
過去作品で「サロメティックルナティック」などの類似曲はあるものの、進化した雰囲気がある。
【泣かせる度】:
100/200
泣ける曲ではないものの、メンタル面で歌詞を感じ取るほうが吉ではあるはず。
【全体的総評】:
140/200
「倒錯した愛」を一度感じてみるならオススメな作品。お財布にも優しい1200円。
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