豪華なサックスが特徴の、ブラスバンドが混ざったFatimaの代表的なパーティーロック。
派手ながらも、その中に下品な要素は無く、「悲しい」ながらも、どこか綺麗なものを感じる。
きっとそう感じさせるのは、Kanomaの声と歌詞…そしてライヴパフォーマスだろう。
LIVEでは、指で鳴らす部分のときに会場でライターで火を灯す。
前々作品、「SSB」の「Stra Spangled Butterfly」がバンドマンの視点の曲に対して、
この曲はお客さん側視点…、「ファンのロックスターに対する失恋」を歌っている。
表の顔は愛を拒絶する歌を歌うロックスター、
しかし裏では誰かに想われ、想うことを人一倍望む一面を持つ彼。
そんな彼の一面を知っているのは自分だけ…と思い、無償の愛情を捧げても、
偽装世界で歌う彼の視線の先には自分以外の別の誰かが映っていることに気づく。
彼の眼にはすでに他の人が居た…あまりの悲しみに、
会場を後にしても、目蓋に映るのは愛しい彼の姿、頭の中に響く彼の歌声。
嗚呼、影落とす胸に慰み、せめて今夜は蕾包むような
恋の歌を聞かせてダンダディダ♪
LIVEのときサイレンが鳴るとこの曲が来る合図。
ハイル・ヒトラーのように右手を挙げて敬礼。
Kanomaが拡声器をマイクに向けて声を張り上げる。「Realize!!」。
Fatimaの古くからの煽り曲で、テーマは「戦争」。
ノイジィな動のロックサウンドとバイオリンの静の緩急が秀逸な理屈抜きで暴れる曲。
ちなみに別ヴァージョンで「大衆の眼」というバージョンがある。
夢も罪も空に隠された いつか薔薇のベッドで眠ろう
降り積もる灰と黒い雨の中で 自敬も脱ぎ捨てた
作曲者4geが言うには、
曲を作らないといけないのにスノボーに行って出来た曲らしい。(笑)
洒落たジャズだが歌詞は、「日常に鮮やかさがなくなっていく感覚」がテーマ。
「明日、この身体が溶けて死ぬんじゃないか…?」
あるはずもないことを考えては、大好きな人のことを考える。
しかしあんなに想っていたはずなのにいざ会うと何も感じなくて、
その何も感じない現実に悲しくなったり。
いつの間にか、遊びに来ていた猫も来なくなり、部屋には自分ひとりだけになった。
「これが思い違いなら別にそれでいいんだ」…そう思いながら、また、
赤い薔薇を敷き詰め、水を部屋中に撒き散らし、考える。
その光景は赤い赤い薔薇のスープ。
これが思い違いなら別にそれでいいんだ
今までこんな事無かったようで不安なんだ
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