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姥捨て山
 
人格ラヂオ/ ジンカクラヂオ
姥捨て山
発売日:2005/07/31
参考価格:¥ 1,575
価格:¥ 1,575 OFF : ()
※この情報は、2009/05/13 00:41のものです。
姥捨て山

圧倒的な説得力と鬼気迫る気迫を感じるような重厚な叫びにも辛いスローテンポの曲調。
決して癒されそうにない悲愴感を含み、「これが人格ラヂオ」といわんばかりのディープな世界観の音。

本人いわく、「プチムック」らしい。歌詞の世界観はタイトルどおりの「姥捨て山」。
幼き日、自分を愛してくれた者。時が経つにつれ、疎ましく感じ、やがて姥捨て山に捨て去ろうとしたが、
これまで愛してきた過去、優しくしてくれた想いを忘れる事が出来ず、結局捨てることができず、愛する者を迎えに行く。

歌詞では「今捨て去って」が「今抱きしめて」へと変わっていくのが物語が展開していくのを示唆し、
そこに捨てたことを、恨むことなく、ただ、思い出してくれたことに喜び、許す。愛情があってこその関係を感じた。

震える膝で歩く姿さえ 醜く映ってしまう 背負いきれないほどの 憂鬱
乾いた、手の平に包まれた幼い日の記憶が 今鮮やかに蘇る


薬指

ラヂオの楽曲にしては異彩を放つほどの軽やかなベースと明るい晴れやかな曲調。
悠希いわく…「プチラルク」。歌詞の世界観…おそらくこれは、
遊女の愛情表現として自分の薬指を切って送ったという過去の風習からきているのではないかと推測。

自分がどれだけ愛しているかを思い出してもらえるように、切り離し、
優しく箱に閉じ込め、自分の存在を思い出してもらえるように愛情を閉じ込める。

しかし、その愛情も虚しく届かず、捨てられた薬指。
最愛の証が腐敗し、歪んでいく最後。形無きものが崩れていく儚さを歌詞にしたためている。


通り過ぎた 雨の後に 残され 流れを知らず 留まった 水溜まりには
映し出された もの全てが 歪んで 形を変えて 閉じ込めた  薬指



星に願いを

那オキのウィスパーコーラスが特徴の、ふんわりとした優しさに包み込むような柔らかい音色。
メロウなリズムは「姥捨て山」とは逆ベクトル…いや、真逆すぎて逆に面白い存在感のある曲。
歌詞の世界観は「闇を照らす星」。

平和を願う…といった内容が含まれていて、それが温かくて心地よい質感がある。
ちなみにこの曲は、那オキが「優しい柔らかい曲が欲しい」ってことで出来たらしい。

輝いた 無数の星は やわらかく 闇を 照らし 続けた
繰り返した 過ちも全て包み込むように



my evaluation


全部じっくり聴く曲にも関わらず、どれも世界が深く、人格ラヂオのポテンシャルの凄さを感じる。
特に歌詞はオブラートに包まれていながらも、根底にある愛情の深さを感じると、
何度も聴いたはずの作品の彩が読み狩り、この作品のよさが再確認出来る。

一枚目に買ってもハズレではない。しかし、個人的には一枚目は是非「証拠」をオススメしたい。
人格ラヂオをぼんやりを掴み、その上で歌詞を照らし合わせ、聴くと良いんじゃないかな。

とにかく「姥捨て山」を聴かずして、人格ラヂオは語れません。
また、雑誌「hevn No.018」では、人格ラヂオの「姥捨て山」の弾き語りVer.が収録されていますので、
より人格ラヂオを知りたい!!という人は要チェックです。