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【Re:261156】addere
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Sugar/ シュガー
Request Album【Re:261156】 addere
発売日:2008/11/05
参考価格:\2,415
価格:\2,415 OFF : ()
※この情報は、2009/05/28 00:33のものです。

malicious

Sugarとしては珍しく、闇の香りが漂わない爽やかなロックサウンド。
ライヴでは既にプレイされていた「マリシャス」は、ライヴ中の暗い雰囲気を一掃してくれる。
しかし、そんな心を洗うようなサウンドではあるが、マリシャス…「悪意」を描いている。
相手のことを詳しく知らなくても抱ける、「興味」。そしてその興味から派生する好意と悪意。
曖昧な感覚ながらも、人間の中の一つの感情が描かれている点も楽しんでいただきたい。

何故そんな悲しい無邪気さに手を染め 抉り出すような遊戯を楽しむ
思い募らせ 指先だけでも触れさせて欲しい このまま目が覚めなくなっても良い

Memento-Mori

不安定な展開と、プログレッシブ的な要素を描いたサウンド。
配布曲と比べると、バイオリンを入れることで、より深みを増し、
雰囲気が増したような印象を受けた。やはり配布曲と比べて、成長が良く感じる。
歌詞は、タイトルのとおり、「Memento-Mori」、「死を想え」となっている。
Lokiなりの死生観や、言葉遊び、
複雑かつ哲学的なパズルを紐解いていくように展開するところが聴きどころである。

枯れ果て朽ちる音と産声 等しく響いて
虚ろでも不確かでもいい 子守唄のよう そっと


自腐

「berry」という会場限定シングルに収録されていた曲で、結成当初からある、「自腐」。
敬礼しながら飛び跳ねる気味の悪い統一感や、歪みに歪んだダークサウンドが特徴の曲である。
聴きどころはなんといっても、違うドラムを二種類使用している点だろう。
実は右チャンネルがYAMAHA、左チャンネルがLudwigと、使用しているドラムが違い、
ドラムの手数や感触が少し不思議な印象を受ける曲となっている。

技巧的なサウンドに秘められた歌詞は、「自負」とかけられていて、
「自分の腐っている部分が解っている」という歌詞となっている。
解ろうとしてないなら、期待しないでほしいという身勝手な感情を叫びのような曲となっている。

「僕には分から無い。」「僕には判る筈も無い。」「僕は解ろうともしてい無い。」


ベリー

Sugarのライヴでも定番であり、最も再録を求められた曲となる、「ベリー」。
上記でもあったとおり、会場限定CD「berry」収録曲となっているが、
当時とは全く違い、テンポも上がっている。
結果として、よりライヴに近い感触になっており、本来の「ベリー」の形になっている。

実際に冷蔵庫に腐らせてしまったLokiのケーキの苺から想いついた歌詞。
シニカルでエロティック、性を訪仏とさせるような歌詞と、Lokiの特徴的なダンスが見どころな曲である。

崩れてもっと舐め合って 爛れるように
不愉快な声をもっともっと響かせて


Snow White

アルバム唯一の書き下ろし作品。「antlion」「悲しみに眠る陽だまり」の教訓を生かし、
サックス、ピアノ、バイオリンと、楽曲の表情の向上に力を入れた曲となっている。

ダイヤモンドダストのように煌びやか、白を訪仏とさせ、聴き入ってしまう。
冬の優しさ、そして冬の厳しさも含めて音色にされている。

「Snow White」…「白雪姫」をモチーフにした物語を描いた歌詞。
Sugarとして、何かをモチーフにして歌詞を描く挑戦が行われているのでそれを含めて楽しんでほしい。

許されない 毒の果実に賜る 永久に目覚めぬ三度目の死
祈りたい 君が目覚める時を どうか どうかいつの日にか

my evaluation


「Re:261156」は、内容としては、ファンの熱い要望に応えたリクエストアルバムとなっている。
そんなアルバムのため、今回のアルバムタイトルは、再録曲のリリースした日を組み合わせた数字となっており、
「addere」、ラテン語の「加える」という言葉を組み合わせたものになっている。

初めて知るファンにとって、またこれまで聴いていたファンにとっても楽しめる、良い作品となっている。
この作品で、良いところは、リリース前にアンプラグドライヴツアーを行っており、
音に表情を持たせるテクニックや演出を学んだ成果がリアルに作品に出ているところだろう。

Sugarを語る上では、外せない、大切な作品となっている。