「青」と「黒」を混ぜた雰囲気。
仄暗さという言葉で片付けることも出来るだろうけれど、
この仄暗さには、無機質な感じは無く、全く逆の優しさと温かさがある。
繊細で千切れそうなギターサウンドが全面的に出たミドルテンポ。
聴いていて安易に「あ、こんなテーマを歌っているんだ」と感じない。
曲に呑まれるけど正体が解らない。ただ…感じるのは、『虚無』。
生きている、だけど湯も水も浸されていない浴槽に入り、
ただ自分が、排水溝に流され…無へと変化していく感覚を歌った気はした。
密閉系のイヤホンで聴くと感じる、
Lokiのヴォーカルの今までの作品ではなかった抵抗無く耳から心に響く低音域。
静かな部屋で聴きたいな。この曲に雑踏の雑音は似合わない。
呼吸を止めて 白い器の愛撫感じて
歪なまま 一つになろうと願う
全て融け排水溝に流れ 何もかもここで ただ 無を愛せばいい
ジャジィーなシャッフル。しかしどこかラテン系が入っている。
安易に突き抜けるように昂揚すれば気持ちがいいのだろうけれど、
生殺しにするような部分で盛り上がりを止めている。
そこが何度聴いても感じで、初めて曲に対して、 「喰えない曲」という印象を受けた。
悪い評価ではない。何度聴いても掴めない。
曲のタイトルのように「劣情」、「秘め事」を歌い上げた歌詞。
ベッドで甘くベタベタになるような歌詞。卑猥ながらも高級感を感じさせる。
そんな曲が聴ける・・・だからSugarは好きだ。
爛れて熱く揺れる劣情に身を委ねて
赤く赤く染まる 鼓動と吐息 その全てを
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