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Sleeping Beauty
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9GOATS BLACK OUT/ [ナインゴーツブラックアウト]
Sleeping Beauty
発売日:2008/09/09

参考価格:\1,050
価格:\1,050
※この情報は、2009/05/03 22:08のものです。


Sleeping Beauty

雪の結晶が空から舞い降りてくるような綺麗なアルペジオギターから始まり、
ヴォーカル、ryoだけでも成立するメロディに合わせ、冬の音色を奏でるバンドサウンド。
それがこの曲、Sleeping Beauty、「眠り姫」である。
前作にあった「devils in bedside」に無かったバンドサウンドとしての人間臭さが詰め込まれ、
9GOATS BLACK OUTのライトかつ、繊細な面が抽出されて出た一曲である。

歌詞は「眠り姫」…しかし、この歌詞の中の世界では、
大切な人の安堵感に満ちた寝顔を撫でるような優しさで満ち溢れている。
平然を装い、抑えきれない感情を吐露した先に得た、眠り姫。
時を経て、やがて愛し合う二人を襲う感情は、
「この愛は雪のようにいつか消えてしまうかもしれない」という不安。
いばらのように寄り添うたびに傷つけ、互いに苦悩を得ても、答えは出ず、やがて、気づく。
ただ、変わらぬ想いを抱き、隣で抱きしめて、その人のために歌えば良い。
夢を見て。愛を知って。永遠を願って。泣き顔でも愛せるように。

不安の中 訴う愛は 崩れそうな雪の化粧で
貴方の傍に居れること 夢の様で 嘘みたいで
凍える森 いばらの人 ただ泣いてる まだ泣いてる
幽玄の空に 答えは居ない


Lestat

ファルセットやダーティヴォイスなど高低差に富んだヴォーカルを操るryo。
歪みに歪んだエフェクトを多様したベース音がメインとなっており、
「Sleeping Beauty」と真逆のテイストとなった「Lestat」。

漆黒の夜から攫い出すかのようなニュアンスに満ちた歌詞で、
ライヴでは上がったテンションを持続させるような役割をしている。

「Lestat(レスタト)」は、アン・ライスが記述した「The Vampire Lestat」から来ており、
臨終前の母を天使のような美貌のヴァンパイアに変身させ、共に生きたヴァンパイアの名前である。


揺り籠の接吻 黒い羽が眠りまで覆った
貴方の横 砂混じり肺を侵され狂いそうだ 闇を涸らす声



nocturne [ remix ]

前作、「devils in bedside」に収録されていた曲のリミックスバージョンである。
聴いたことがあるリスナーのイメージを払拭するかのようにバンドサウンドやリズムを全て取り去り、
ryoのヴォーカルと完全にプログラムされたノイズバックサウンドのみで構成されている。

ちなみにこれは「Officialでの通販」、もしくは「会場限定版」のみ収録されており、
一般店頭で陳列されているCDには収録されていないので注意すること。


sink [ remix ]

これも同様で前作、
「devils in bedside」に収録されていた曲のリミックスバージョンである。
「sink」という単語から、水を訪仏させる音、
鳥の囀り、ryoの水中で響くようなエフェクトヴォーカル。

前作より、イメージ映像のようにドラマチックに加工されている。
「Officialでの通販」、もしくは「会場限定版」のみ収録されており、
一般店頭で陳列されているCDには収録されていないので注意すること。


my evaluation


様々なテイストがパッケージされた前作、「devils in bedside」。
ライヴをしたらどうなるのかと思わせるほど完成し切っていて、人間味を感じさせない完璧な作品だったが、
今作は人間味が溢れ、真っ白な昼と漆黒の夜の二曲をパッケージした作品となっている。

通販・会場限定盤のみ収録されるRemix版も、ヘッドホンで隅々まで聴くと色々な発見が出来て面白い。
9GOATS BLACK OUTとして、Remixも武器に出来る要素を持ち、縛られない雰囲気を醸し出している。

通販・会場限定盤のみ4曲収録という取扱いは、おそらく、このバンドに触れたがる人、
「もっと関わりたい」という人達に向けて差し伸べる彼らなりの手であろう。
入手困難でもないので、俺としては限定盤を手に入れてほしい。

ただ、思い当たる弱点として、一見さんが二曲入りを購入したとき、物足りなさを感じるかも知れない。
なので初心者の方は、「devils in bedside」→「Sleeping Beauty」という流れで行ってもいいかもしれない。