妖艶でエロスさえ感じさせるサウンド。
ゆったりとした聴かせる音ながらも、身体を自然と乗せるリズムが裏でしっかりと入った曲。
歌詞は、「ネクロフィリア」。
自分だけのものにするためにアリス(愛する人)を壊し、首を箱詰めにして、
汽車に乗って逃亡…『これでずっと一緒…』と思ったにも関わらず、
太陽が強い夏…肉体が腐敗し崩れていくアリス(愛する少女)。
ようやく、現実に目覚めて幻から覚める自分に残ったのは、哀しい現実。
痛がりのアリス 〔二人〕を拒むな
躊躇い差し出した愛と欲はあまりにも君を変えた
InterNetが復旧した電脳世界。
自称サイコと名乗る人間をあざけ笑い、電脳世界に住む住人を歌う。
ズクズクとした刻むようなビートで進行するこの曲。
疾走とまでは行かないが、煙に巻くようなギターノイズなど、
リスナーを昂揚させるようなエッセンスがかなりふんだんに使われている。
最後、ネット廃人と化した、住人、歌詞の主人公が『現実』という舞台に上がり、目覚める。
扉を開ければ 粗悪な俗物の徘徊 maze
独白で毒を吐く「管理者」 独自のDiVerSion
フランス語で「[根無し草] 故郷を喪失した人」「冬」となる。
タイトルの意味となる「故郷を喪失した」の「故郷」とは、生まれた場所ではなくて、
「愛する人」を帰るべき場所を故郷とし、
その愛する人が死んでいたため故郷を失った⇒根無し草となったと解釈した。
一曲目「アリス」との繋がり。
面影も無いほど腐っていて、誰かも解らなくなっていた恋人。
独りよがりの愛情の結末。帰ってきてよと、
自分に殺された時の気持ちも確かめたいけれど確かめられず、割れた声が響く。
疾走感あるストレートナンバーながらも繊細な歌と、冷たいギターサウンドが哀しすぎて、
複雑な気持ちをかき混ぜる。
諦めの悪い この僕は
声が掠れるまで 唄うから お願いだ笑ってよ
「剥離(はくり)」…見覚えがあるのは、拳銃の引き金を引く瞬間。
「剥離(はくり)」…覚えているのは羽ばたいたら空も飛べると信じ、飛び降りた瞬間。
「アリス」、「deracine」…そして「剥離」へと繋がる。
愛する気持ち、後悔の気持ち、
月日が訪れるに連れて、本来あったはずの彼の精神が剥離し、
やがて死んだはずの彼女が、彼の精神を蝕み、奪おうとする。
仄暗いベース音が静けさと不気味さを漂わせる。
ヴォーカル:漾の綺麗ながら泣いているかのようにも聴こえる歌声、
ゆっくりと…ゆっくりと、朝が来る。
二人いつまでも一緒…永く永く…時間が二人を歪ませる。
還りましょうよ 床にキス。
歓声はなく、侘しい 歩き方さえ忘れたの
永い永い時間が 両者を替えた
歪み、歪み、この身を奪い合う
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