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Hide and sick
GULLET / ガレット
Hide and sick
発売日:2003/10/25

※この情報は、2009/01/25 23:21のものです。


Counting song

男が踏みつけたのは愛する人のノド。
愛しているはずなのに勘定的になる男、
ときに手を出してしまうような愛情表現の下手さが裏目に出て、
ついに恋人は浮気をしてしまう。
我が子を孕んだはずなのに浮気をした彼女が許せなかったのだ。

※恋人の本心は、後の「a withered flower」

小さな嘘の繰り返しに思わず、聞いた、「君は僕を愛してますか?」
不信はやがて膨張し、恋人を殺害する秒読み、「Counting song(数え歌)」を始める。
退路を確保し、隠れ蓑を準備、念入りに計画を企て、殺害を実行する。
絞殺…恋人は、意識が朦朧としたとき何かを呟いたようだが男はきく耳を持たなかった。
つまるところの恨み言だろう。動かなくなった恋人。その場を手際よく離れた男…。

しかし、神は、恋人を救いたがっているようだ。病院に運ばれる恋人。
もし生きていたら…自分を追いかけて殺すつもりなのだろうか…
それとも見逃すのだろうか…愛か憎か…おなかの子供は生きているのだろうか…
病院の手術室の赤いランプが消えるまで不安が消えない。
しかし、男は決心する、灯火が消えたらこの場を去ろうと。
生か死か…その結末に関係なく。

一定のリズム隊と、うねるギター陣、耳元に囁く声。狂ったようなシャウトから、終盤綺麗に歌い上げる。
この展開は、歌詞の展開に関係する展開。

傷みはなくなった?すぐに楽になれた?
ここから見えない 約束できない二人の未来

狂人ではなく…酷く…不器用だった。涙雨…落として、鳴いた愛情。




a withered flower

女性は生きていた。見舞いに来ないのは解っていた…自分を殺そうとしたのは彼なのだから。
愛してくれているのが解れば浮気なんてしなかった、
愛されているのか解らなくて、一人が寂しくて…嘘をついて…傷つけてしまった。
眠れない。乾ききった声で泣いても…眠れない。

でも…あんなことをされても、貴方が好きだったから、一緒にいられた。
貴方は忘れても、私は彼を想い続けるわ…病院で毎晩を過ごした。
退院し、部屋に帰ると、やはり彼は居ない。部屋に残された咲かない花。
花をなぞって…「枯れたい」と思わずつぶやいた。
部屋に残ったのは…彼と私の思い出達。
これがどういう答えかすぐに解った…でも、解りたくなかった。
受け入れるのがただただ…怖かった。女はつぶやく。

さよなら 私の愛した人

壊れそうなバラード、決して救われない、別れの秋を匂わせるバラード。




pool

シャウトでしめた狂気サウンド、
それは死んだ子供…男が女を絞殺したときに堕胎したときの歌だから。
狂気ともいえる歌詞の表記、全てが狂ったような。

我が子を恋人の残した後悔も消えるが、その失うことの痛みも解らないはずはなかった。
床に出来上がった、水たまり…pool。鬱血した恋人、澱みが流れる。

堕胎ビリビリリリ 土台無理無理無理
血が滲み涙に濡れる hereweeeeegoooooooo



my evaluation



流れ的には…んー…pool の位置がいまいちつかめてないから、こじつけのようなレビューとなったが、

「Counting songs」+「pool」⇒「a withered flower」という順番となっている。
しかし実はこれで終わりではなく、「a withered flower 」⇒「amnesia」へと向かう。

裏切りによる制裁により、二人が愛した証であった子供さえ失っても愛を誓った女性…
そして愛情表現に不器用で暴力を振るい、
逃亡し…記憶をなくし、ただ「愛していた」記憶のみ残り、苦しむ男。

結局、報われない愛情の形。記憶が蘇っても、結末は、良い結果になるとは限らない…悲しい運命。

少し空気をかえて…、作品自体の評価をすると、「あまり良くない作品」となる。
詳しく説明すると、音が少し悪い。音圧も今までの作品が良すぎたのか悪く感じたり。
バランス自体も「desert の 劣化版」という印象が強かった。

しかし、歌詞世界に関しては良く、「desert」と一緒にそろえることではじめて真価が出る厄介な作品。
単独では成立しないし、少し物足りないという点が作品として致命的になってしまっている。

ちなみに初回盤、シースルーディスク(透明)になっていてたり、CDはめこむところのプラ部分を外し、
裏ジャケットを見ると散文詩がおり、また「破壊衝動」「装飾愛」という小説が隠されています。