niguのデスヴォイスと掛け声、
ヘヴィサウンドのラッシュから畳みかけるように展開する「black」。
ライヴではヘッドバンキングや拳を上げたりと欠かせない曲となっている。
さて、歌詞を見ると気付くと思うがこの曲、「chloe(クロエ)」と関係性がある。
ダフニスとクロエ、二人の物語。
しかも、chloeでは「クロエの手を取るよ」となっていたが、
blackでは「ダフニスの手を取るよ」となっている。そう、これはクロエ視点の曲。
クロエが海賊に囚われ、ダフニスが追っている場面で、
囚われている間のクロエの心情を描いた歌詞だと考える。
恐怖の中、心の中にそっといるのはダフニスの姿。
今は隣に居なくても、心の中ではずっと手を取る。
闇を抱いて咲く黒い花ダフニスの中で、白い花クロエは咲き続ける。
行こう「黒の中に」「黒の中に」日々を裂く
凝る事を抱く 神は揃う
行こう「黒の中に」「黒の中に」日々を咲く
濁る事を抱く 神の独奏
アルペジオギターからどこか機械的なイントロから始まるバラード。
中盤、喉が悲鳴を上げるかのように、ぶつけるように歌うniguが印象的で、
そのギャップがこの曲の中にある世界に引き込む役割を果たしている。
「reborn:生まれ変わり」
生まれ落ちたのは「星」、夢は「虹が見たい」という叶わぬ夢。
神はその手から朝と夜を落とし、深い景色が広がり、虹が広がる。
もう一つの星はその夢を叶えるために、
夢を諦めかけていた星の手を取り、四季を巡り、飛び立つ。
生まれ変わったかのように生命を消費して。
やがて夢を語った星は息を引き取る前に、虹が儚く舞う光景を見る。
力尽き、落下していることにも気付かず。
寂びた願いは儚く散って 僕を見下ろしてた
その後ろにある初めて見えた 「虹が儚く舞う」
「大切な人が死に、残された者達は何を伝え、何をすればいいだろう?」
初めてこの「hearts」が公開されたのは、Tour:DEATHlobin、大阪RUIDO。
HISAKIの親族が当日のライヴ前日に亡くなった事実を伝え、
niguがこの曲に入る前に上記のようにファンに問いかけた記憶が強くある。
作曲者はBass.HISAKI。呪術的なコーラスと呪文のように歌いあげるniguのヴォーカルが絡み合う。
サビでは開放的なサウンドと激情を曝け出したかのように感情的に歌うniguがマッチしている。
歌詞は、niguの韻を踏んだ言葉遊びが目立つが、先述したテーマがコアだと考える。
死で別れた人は、残された人へと意思を繋ぎ、語りを繋ぐ。
しかし、その根本で繋いでいるのは、「感情」。
cocklobinはその感情のうち、「激情」という感情を持って人へと繋ぐ。語りと、意思を。
僕らの灰にまみれた世界 響く音を描いて瞬く
重なり合うことのない色を 繋ぐ答え「感情」
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