ATMAN(アートマン)、
ヴェーダの宗教で使われる用語で、
意識の最も深い内側にある個の根源を意味する。
インド哲学の重要な概念の一つで,我(が)の意。
要約すれば、魂を意味する。
ピアノのみのSE、魂から始まり、生誕する。
空間に響くようなアルペジオとスクラッチ、
"母体の中を漂う赤子に囁く"ようなヴォーカル、
「語り」という表現が近いかもしれない。
その母体から解き放たれ、産まれ落ちた時に、
己の存在、己の生のエネルギーを表現したかのような、
荒々しいサウンドが響く。
曲の展開が極端にドラマティックで、立ち尽くしたような感覚になる。
この曲、DEATHlobinから既にライヴで披露されていた曲であり、
nigu曰く、親友の産まれた子供のために歌った曲らしい。
「奇跡の花」と呼ぶ背景として、その子供の名前がスミレ…ということ。
生まれ落ちた世界は
きっとすばらしい光に満ち
奇跡の子よ 奇跡の音を上げ
世界を裂くこの産声を
一言でいうところの、「幕開け」の意味を示すこの曲。
生まれ落ちた魂、無知な心に様々な試練があり、
その生まれ、死ぬまでの道に天国か地獄が待ち構えている様子を歌いあげている。
男性メンバーのみの男らしさが漂う掛け声、
拳を振り上げるような士気を高ぶらせるハードサウンドとなっている。
光に溶けても見えなくて 闇に溶けても見えなくて
翼をひろげ この手に掴もう 僕らの世界を
この言葉の意味としては、
「全音階; 全音程; 長音階; (声・楽器の)全音域; 全範囲」
この作品のテーマは後で後述するが、この作品の要となる部分である。
自分が奏でることが出来る領域を突き破る、奮い立たせるような内容となっている。
印象に残る取っ付きやすいメロディと、ライヴの激しいノリを重視した「GAMUT」
ストレートなロックではあるが、cocklobinの持つ、
表現がふんだんに詰め込まれている曲に感じた。
急ぐ足を止めてもいいさ 君自身の音を繋ぐ
奏でるその輪廻を 歌う歌を
作曲がベーシスト、HISAKI。
老人期にあたる曲であり、自らに近づく"死"に対し、
戦う意思を見せたような勢いを感じる「未来の自分に対する対峙」。
自分達の歩く道の先には、必ず、光が満ち溢れていると信じ、
突き進むような勢いを表現したようなサウンド。
完全なライヴノリを意識した展開であり、
個人的には非常に楽しみな熱い部分を見せる。
心に刻まれた絵 色褪せない 僕らの想い
悲壮感溢れるアルペジオ、何とも言えない重苦しい音の空間。
淡々と時間が経っていき、どこか遠くへと流されていく、
静かなのにあまり長く居たくない空間…。
この曲のコンセプトは、「時計」…歌う唄は、「己の死」。
最小限の音を微妙に転調させ、奇妙な不快感を感じさせるのだが、
それがより一層不気味さと、
この全体の作品の存在理由を締めくくったような印象を受けた。
ここは光のある世界 とても暖かい世界
檻から抜け出た世界 とても暖かい世界
ボーナストラックとなる、「死と再生」。歌詞はCDケースの裏にも無く、
今のところシークレットとなっている。
死んだ自分が残してきた大切な人達に伝える…、
前作、blackの「hearts」とは、立場が違う唄となっている。
この曲が自分の中で、ギターをはじめ、
他の楽器隊が名脇役となっているような印象を受けた。
全ては、"唄"の魅力を前面に持っていくような構造。
ウィスパーヴォイスひとつひとつに意識を持って行かせるような、
音と音とがぶつかりノイズにしていないからこそ、
この曲に含まれた、メッセージひとつひとつにある心が伝わることが出来た…と考える。
人は繋がっていく 世界の時間を止めて
ここに生まれ続ける 僕らの中で
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