タイトルはウェットな感じ、しかもdeadmanのイメージからすると、
仄暗い曲調を予想するかもしれないが、この曲はそんな予想を覆すほどポップなサビを持っており、明るめの曲である。
明るい印象を与えているのはベースが一番のネックだろう。
ベースラインとドラムのリズム隊に動きがあり、今までの曲との方向性とは別の曲となった。
そんな明るい雰囲気を持つ曲調であるものの…歌詞は皮肉・自嘲めいたものである。
捨て猫を捨てた昼…雨が降り出した。悲しい気持ちを抱いたまま、振り出す雨を見つめる。
弱っていく姿は見ず…ただ、後悔して戻ってきたときには目覚めなくなっていた。
自分を愛することは簡単だけど、
他の命あるものをどれだけ愛することが出来るだろう。
人も…神もそれは例外じゃないだろう。自分が未来へと進んでいくと同時に生まれる続いていく「過去」。
その過去に呑まれた子猫のために、楽園への扉を開けておいた。
それがせめてもの餞だから…。
to those who'can't show their'weakness
I love you'.you are my family'come here
サビが美麗ながらも、その他の部分のメロディは歪みがあり、どこか混沌としている。
はっきりとした意味が解らないが、「信仰頭」としよう。
下をよく見れば…、面識の無い人間の中に混じる、
共に生きる道を歩いてきたはずの人たちが歩けない死骸に成り果てていた。
ずっと救いたいと思っていた夢は叶わず、ふと思う。
どれだけの人たちを救えただろう、「俺は神じゃない」。
襲い掛かる『非力』『無力』という現実。
残された黒い影、幼い子供のような自分が抱き締めてみた。
ふと思う。
救えなかったことによる罪により、
もう誰かを救う夢を見ることは許されなくなったけれど、
せめて出来るなら、愛する人のもとへ行きたいと切に願う。
雨の中、涙を流す。
もう動かない 涙に雨 許されないけど 夢を見る
出来るなら 願いに雨 愛する人の処へ行きたい
deadmanの定番曲となったダークバラード。
心の底から『悲壮』を漂わせるaieのギター。
ホラーの香りもする音色がよりサビをドラマティックに変えている。
コーラスも左側と右側で聴こえ方が若干違ったりと趣向が見える。
これは恋人の死の歌だ。
向日葵が咲く地、振り返ると彼女の笑顔があった、そんな日々からはじまる。
ある日、何かを境に、自分達が住む場所が危険だということを知らされる。
一隻の『救いの船』が用意され…問題は『どの身分が乗るか』であった。
貴族達が救われ、奇形児、奇病、差別者は排他される…そんな時代。
同じ命を持ったもの達なのに、生まれ持ったその「差」は生死すら分けてしまう。
主人公は残される側…恋人は貴族、選ばれ、救いの船に乗る側となってしまった。
愛し合っても、離れ離れ。
どちらかが死んでどちらかが生きる……それでも…彼女だけは救われて欲しかった。
それで男は良かった。
自分の死を覚悟しても彼女の無事を願う主人公。
船を見送り、彼女の乗る船に手を振る。無事、生き延びてもらうために。
しかし、彼女は、
向日葵の咲くあの場所で…笑顔で自分を待っていた。
船には乗らず、あの場所に残っていたのだ。
愛する人と死を共に享受するために。
そしてある異変に二人は目を向ける。
「救いの船」と称された船は、悲鳴と共に沈んでしまった。
神の残酷さを見届けた後、やがて向日葵の咲く土地も水に埋もれ始めた。
二人は海へ沈んでいく_____しかし、彼の心はどこか満たされていた。
さようなら 愛する人よ 辿り着いて どうか
さようなら 愛する人よ いつまでも どうか
向日葵が咲く巡り逢った地に 振り返ると君が笑っていた
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