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sleepy under sun
† amazon†
Ruvie/ ルヴィエ
sleepy under sun
発売日:2005/08/10

参考価格:\2,200
価格:\2,200
※この情報は、2009/05/07 00:15のものです。
エンゼル・ハイロゥ

天使の頭に付いている輪を「エンゼル・ハイロゥ」と呼称しているが、
この曲の世界内ではウィルス名となっている。
ネットワークを通じてマインド・コントロールするような内容で、
機械のノイズから徐々に迫り語るように呻るバンドサウンドと手鞠の唄声。

甲高く細かい機械のようなドラムの連打音が脳内を浸食し洗脳していく。
まるで「sleep under sun」という世界観に引きずり込むように。
てまりの溜め息交じりの声や、笑い声、壊れた音など趣向に満ちた曲。

僕の言葉よ あなたに届け その細胞を 浸食し
ねえ 僕の御名だけ 呼び続けてよ 共に唱おう ゴスペルを

少女とパレード

ゴシックテイスト溢れる同期音、
闇の仄暗さ…その中に松明を灯し、行進する、儀式的なサウンド。
ミドルテンポで、DGがレコードをこするようなスクラッチ音のギター音など見せ場があり、
ライヴ会場では拳を挙げてのパレードが繰り広げられる。
少女の狂いだした運命を静かに見守るように淡々と、展開していく。
サビ明けのピアノと微かに聞こえる、手鞠の台詞が少年が祈るように呟くかのようにも感じ取れる。

少年の目の前で起こる事象、縄で縛り付けられた…耳の無い少女。
少女に向けられた罵声と礫の雨……そしてそんな真実に目を背けることの愚かさ、
さまざまな音がぐちゃぐちゃに混ざりながらもメリハリのある曲。
最後、少年が見た少女の姿……世界観は「魔女狩り」。

僕の瞳に 焼き付けられたのは 陽炎の歪みのその先で
少しずつ灰に変わる君は 笑っている

体温

綺麗なアルペジオ・フレーズがドラムの音と混ざり、どこまでも優しいサウンドを奏でている。
決して速くはないけれど、遅くも無い、包み込むような軽快な心地の良いテンポが聴きどころである。
そして刹那さが滲むサビ、盛り上がってるはずなのにどこか寂しげな雰囲気を纏っている名曲。

その優しい音色が奏でる中、手鞠が歌う世界観は「愛する人の死」。
大切な人の体温がなくなった喪失感。忘れようと何度も飲んだ錠剤。
突き刺せば会えるかもしれないという希望。喪失感は愛した思い出の数だけ襲う。
冷たい体温がそうさせる。何度も。

もう一度 この手 握り返して 欲しかったのに
冷たい 君の手 力なく 崩れた

向日葵

心地よいドラム音、爽やかなギター、大人しいがしっかりとしたベースサウンド。
夏のような爽快さを表現した明るい曲。曲調も力強く前に向かうような曲である。

頭の中に詰め込み過ぎて、大人になり、何度も辛い想いをしたときに見た向日葵。
忘れてしまった子供の頃に見た景色と出会うことで、 落ち込みそうなときでも向日葵のように立ち上がる気持ち、
「自分の中で覚醒する感覚」を主人公は覚える。眠りから覚めるように。
忘れかけていた思い出を胸に、主人公はあの頃に見た向日葵のように生きる。

このまま白昼夢の真ん中で
心地よい 眩暈に 溺れていたい
モザイクの掛かった この道を
その花束抱えて 歩き出した

Parfait

先ほどの向日葵で太陽の光を浴びて、この「Parfit」で花を咲かせたような、
軽快なリズムで優しい音色のバラード。読み方は「パフェ」。

この「sleepy under sun」の根本のテーマ、心の奥底で眠っている花の目覚め。
そしてこれを聴き終えたあと、CDが止まって軽い心地よさが生まれる。夢から目覚めたときの心地よいまどろみのような。

二人で森を駆ける。ボクと主人公。
辛い時の話、些細なことで喜びや楽しみを分かち合う二人。
そして、やがて、さよならの時間が近づく。そう、「目覚め」の時間だ。
夢の中でしか会えないボク、そして主人公。
また、いつでも会える。おはよう。そして、おやすみ。

「寂しくなったら このドアを そっと ノックして
すぐ隣に ボクがいる事を 忘れないで」

my evaluation


sleepy under sun [意味] 眠れる低い太陽…心の奥底で眠る花…精神の覚醒

Ruvieとしての秀作で、激しい曲はないけれど、一曲一曲の存在がたがいに支え合った作品。
だから、「腰を据えて聴きたい」人にはオススメ出来るし、通して聴くと満足感が得られる。
Ruvieとしての初音源がこれでも特に支障は無い。
しかし、これ一枚でひとつの世界なので、このテイストを期待して別のCDを聴くと「アレッ?」っと感じるかもしれない。
退廃的な世界観が好き、何度もリピートしてどっぷり浸かりたい人、興味があれば是非。